夏休み明けの9、10月は、学会やセミナーなど、目白押しです。ハーブに関係する勉強会もたくさんあります。

日曜日は、日本メディカルハーブ協会の専門部会セミナーに参加してきました。

書籍やネットでは得られないような情報を取り入れることができるので、出席は欠かせません。

プログラムは「糖尿病と植物療法~マルベリーを中心として~」でした。

マルベリーとは桑の葉です。日本では桑茶として昔から親しまれてきました。

鎌倉時代の禅僧で日本臨済宗の開祖、栄西禅師は、著書の「喫茶養生記」で、糖尿病に対する桑の効用を説いています。


科学的にも、桑葉に含まれているデオキシノジリマイシンをはじめとする各種イミノシュガーが、二糖類の分解酵素であるα-グルコシダーゼを阻害して、糖の吸収を抑制することが確かめられています。

そんな昔から、経験的に効果があるとわかっていたなんて、人間の知恵って素晴らしいですね。

医薬品である、グルコバイやベイスンも、同じ作用機序で、食後過血糖を抑えます。
マルベリーも、メディカルハーブで摂取する量で同等の効果を現します。

ということは、副作用や使用する時の注意も、医薬品と同じです。

メディカルハーブ安全性ハンドブックでは、安全性クラス:1、相互作用クラス:Aで、また現在のところ、マルベリーによる健康被害の報告はないとのことでしたが、マルベリーをお勧めする時は、お客様の健康状態と背景を必ず確認しなければ、と改めて肝に銘じました。

なお、マルベリーには品種によってはメラトニンが豊富に含まれて、実際に講師の先生の経験では、マルベリーを飲むと良く眠れる方が多いとのことでした。

そのような新しい情報から、いろいろ考えることがありました。

メラトニン自体の半減期は短いので、単独での経口摂取の効果は、意見が分かれるところですが、マルベリーで効果があるのなら、何か他の成分の影響があるのかもしれません。

メラトニンの分泌開始時間と入眠時間とのかねあいもあるので、摂取時間も工夫する必要がありそうです。

不眠に対して、バレリアンやパッションフラワーとのブレンドも良い効果が出そうです。

他に、美白効果やアンチエイジングも期待されているマルベリー。

積極的に生活に取り入れたいですね。