大好きな音楽家、ミュージシャンはたくさんいます。
だけど、その中で尊敬する人となると、両手の指くらいの数でしょうか。
坂本龍一さん。「教授」。
イエロー・マジック・オーケストラ(Y.M.O)で、初めて知りました。
シンセサイザーの今までの楽器にはない音色に魅せられ、バンゲリスやジャン・ミッシェル・ジャールは聴いていましたが、海外のテクノポップの斬新な音やファッションは、当初は受け入れがたいものでした。
しかし、Y.M.Oの東洋的な音階と親しみやすい旋律は、よくあるテクノポップバンドとは違っていて、すぐにファンになりました。
むしろテクノポップの枠をこえていて、分類不可能な存在でした。
メンバー3人とも素晴らしい才能をお持ちですが、坂本龍一さんには、不思議なオーラを感じていました。
彼のその後の活躍はここに書くまでもありません。
その、坂本龍一さんの名言の一つに「声を上げないことは罪だ。」があります。
私たちの意識を変えた東日本大震災と原発事故。
何かが変わったけど、どう表現していいか分からない。
医療従事者として、ボランティアに参加する。
父親として、家族を守る。
日本人として、地域防災に貢献する。
どれも正論だけど、何か足りない。一体何が。
釈然としない思いを抱えて、日常生活に埋没していきました。
なかなか進まない復興。溶けた燃料棒の在りかすらわからない原発。風化していく人々の意識。
苛立ちと無力感すら、多忙な毎日に覆い隠されてしまいました。
時を置いて、坂本龍一さんは「声を上げないことは罪だ。」と言いました。
それだ!と思いました。
原発に反対を唱える坂本龍一さん。
この言葉は原発稼働に対して言った言葉でしたが、世の中には震災や原発事故の他にも、問題や不条理がたくさんあります。
私は、それらへの考えや思いはあっても、行動に移すことはありませんでした。
震災後の釈然としない思いは、ニヒリズムに逃げる自分に対する怒りだと気づきました。
バタフライ効果。
力学系の状態にわずかな 変化を与えると、そのわずかな変化が無かった場合とは、その後の系の状態が大きく 異なってしまうという現象。非常に小さな事象が因果関係の末に大きな結果につながる。(出典:ウイキペディア)
カオス理論の予測困難性を表す表現ですが、「ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を引き起こす」と例えられるように、小さな行動でもがやがて大きな動きになるといった、未来に希望を託すポジティブな言葉としても使われます。
ひとりの人が声を上げることは「蝶の羽ばたき」ですが、ネットで繋がっている現代は、それが「竜巻を引き起こす」ことになる確率が格段に大きい時代です。
ひとりでは象の前の蟻のような存在だけど、たくさん集まれば、チャールトン・ヘストン主演映画の「黒い絨毯」のように、村を飲み込む程の大きな力になります。
私はウルバリンやトニー・スタークじゃないので、ひとりでは世界は守れないけど、ささやかな情報発信をすることはできます。
私は「教授」のように偉大ではないけど、ささやかな声を上げることはできます。
もし、その情報が、その声が少しでも世の中の役に立ったら、この世に生を受けた意義があるというものです。
ようやく、組織のしがらみから離れて、HappyRoadの一員として自由に情報発信できるようになりました。
まだ始めて間もないブログですが、ライフワークのメディカルハーブを通して、感じたこと、考えていること、伝えたいことを書いていきます。
読んで頂けたら、嬉しく思います。