公園を歩くと、刈り込んであったはずのアジサイが青々となってきました。そろそろ梅雨の季節に入ります。

その足元に可愛らしい小さな十字型の花が咲いていました。

 

 

 

 

 

 

 

見渡すと駐車場の横の植え込みにたくさんあります。
奥の方にも群生していました。

 

 

 

 

 

 

 

この時期にはおなじみの薬草、ドクダミです。

欧米のハーブでは見ることはありません。日本が誇る薬草、和ハーブです。
東南アジアでも食材として利用されています。
古来から人々は薬草茶として飲んでいて、また、生の葉を外用の薬草として利用してきました。
魚腥草桔梗湯や五物解毒散などの漢方薬にも配合されています。

その機能性は多岐にわたり、十個の効果があるというたとえから、「十薬」とも呼ばれています。

・クエルシトリンというフラボノイド配糖体が、腸の動きを活発にし、便を柔らかくします。
・高血圧や動脈硬化の予防にも応用される場合があります。研究データでは毛細血管の強化や血管拡張の作用も報告されています。
・発汗、利尿の機能性のため、デトックスにも優れていて、ニキビ、吹き出物、腫れ物に使われます。
・臭気の元となるデカノイルアセトアルデヒドが強い抗菌作用を持ち、生の葉をすりつぶして湿布にし、水虫に使います。
・研究データでは、水溶性成分はマウスやラットの炎症性浮腫や熱性浮腫に対して抑制します。

などなど。

民間薬として使われてきた歴史があるため、研究も多くされていますので、ちょっと調べるだけでたくさん情報が集められます。
基本的な機能性は、デトックスと抗菌作用と言えるでしょう。

薬草茶として、いろいろなメーカーから販売されていますが、日本薬局方にも収載されているため、第3類医薬品として扱われます。
日当たりの良くない家の北側の植え込みなどに好んで自生するので、ご自身で乾燥させて自家製薬草茶を作る方もいらっしゃいます。
開花する5月下旬が収穫時期です。

しかし、良いことずくめではありません。
体質に合わない方もまれにいらっしゃいます。
ある症例では、全身の皮膚に赤く炎症が起き、一部にただれも生じて、アレルギーを調べる白血球遊走試験の結果では陽性であったという報告がありました。

昔からたくさんの人に飲まれてきたため、比較的安心して飲める薬草茶の部類になると考えられますが、ソバや小麦にアレルギーがあるように、人によってはアレルギーや副作用が出ることもあります。

皮膚に異常が出たり、具合が悪くなったりしたら、飲むのをやめて、必ず皮膚科のある病院にかかってください。

 

駅前の美容室の横で、変わったドクダミを見かけました。

花が、八重になっています。
正確にいうと、花に見える白いところは「苞(ほう)」と呼ばれる部分で、花は中心から突き出した黄色いホヤホヤです。
苞は花弁を保護する役目がありますが、4枚の花弁に見える苞の下の部分に隠れている苞も発達した品種が写真の「八重咲き種」です。
園芸種をして、売られているようです。

 

興味を引く情報がありました。

広島に原爆が落ちたあと、最初に芽吹いたのがドクダミだったと。
そして、ドクダミに放射性物質を取り除く作用があると考えた医師たちが、患者にドクダミ茶を飲むように勧めたとところ、「ドクダミで生きながらえた。」という証言が多くあったというのです。

因果関係や作用機序は定かではありません。
しかし、生命力の強い雑草なので、植物自身は放射線にも耐性があるかもしれませんし、何かしらの解毒や排泄の機構を持っているのかもしれません。。
また、デトックスに優れているならば人体から放射性物質を排泄する効果があるのかもしれません。
弱った身体に体力を与える、朝鮮人参のようなアダプトゲン作用があるのかもしれません。
抗菌作用が、熱傷の感染症を抑えたことも考えられます。
放射線の間接的作用によって生じたフリーラジカルを抑える抗酸化物質が、多量に含まれている可能性もあります。

東日本大震災以降、原発の危険性には不安を感じている人は多いでしょう。
政府が原発を稼働させている以上、自分の住む場所が、第二の汚染区域となる可能性はあります。
家族や友人を守るため、自己防衛の手段として、ヨウ素剤だけでなくドクダミ茶もストックしておこうかと私は考えています。

でも、その場合、服用量、服用回数、服用期間はおろか、本当に効果があるのか全くもって不明です。
理論上は効果があってもよいと私は思っていますが。

研究者のどなたか、研究テーマにしていただけたらありがたいですね。