日本メディカルハーブ協会、専門部会セミナーに行ってきました。
場所は東京農大、世田谷キャンパス。
かつて通学していた大学が近くにあって、界隈は呑んだりお茶したり、思い出の場所です。

さて、今回のテーマは「ロコモディブシンドロームの予防について」でした。
メディカルハーバリストとしては、「ポリフェノールの消化管センシングを介したロコモディブシンドロームの予防」が、とても勉強になりました。

 

 

 

 

 

 

 

ポリフェノールのプロシアニジンは消化管から吸収されないけれども、投与直後から循環器系に影響を与えること。
交感神経を刺激して、様々な作用を表すこと。

薬理学では、化学物質は吸収されて、ある血中濃度に達して作用を発現すると習いました。
吸収されないのに作用を示すってどういうことだろう?。
不思議に思いましたが、消化管センシングを介することで説明できるとのこと。
化学成分は吸収されて作用を現すという、固定観念を覆してくれました。

そして、ポリフェノールの自律神経調節作用が骨格筋代謝を改善して、ロコモディブシンドロームの予防につながる可能性があるとのことでした。

消化管センシングは、初めて聞く言葉でした。
舌の味覚と同じように、消化管全体に化学物質を感知するセンサーがあり、神経系を通して身体に影響を与えるという考え方で、化学成分と消化管と脳の関係の、比較的新しい考え方です。

腸内細菌フローラが、アレルギーや認知症の発症に関与していることが確かめられていて、
その仕組みは、まだよくわかっていないようですが、消化管センシングが脳への情報伝達に関わっているようです。

 

第2の脳と言われる神経細胞ネットワークを持ち、人体を構成する細胞よりも多い腸内細菌を内包している腸。
栄養を吸収し、ウンチを作るだけではないんですね。

腸を健康にする「腸活」の効果が、科学的に解明されつつあります。

「消化管センシング」が、もっと世の中に認知されると、ハーブや漢方の理解が深まるのでは、と思いました。