拝啓

新緑の候、いかがお過ごしですか。

まだ、夜の冷え込みはありますが、昼間の暖かさには、つい、うとうとしてしまいます。

気分転換に近くの公園や多摩川縁を歩くと、縁石の淵やタイルの隙間に雑草が可愛らしい花を咲かせているのを見つけます。
雑草と一絡げに言いますが、どうしてどうして、なかなかバラエティに富んでいて、見ていて飽きが来ません。

昔から薬草として使われている植物は、人里に近い所に生えていることが多く、こんな東京郊外でもけっこう見ます。
ファンタジー小説では、勇者が山越え谷越え、大冒険をして不老不死の薬草を探すストーリーが定番ですが、実際は青い鳥と同じで、近場にあるんです。
おっと、夢を壊してしまいました。申し訳ありません。

それぞれの雑草は、開花時期が微妙にずれているようで、今日はクローバーが目に付きました。
寒い冬を越した春型の蝶が止まっていました。この時期はまだ虫が少なく、花粉を運んでもらうのには開花をずらしたほうが都合がいいんでしょう。
自然は上手くできています。

 

 

 

 

 

 

 

クローバーといえば、子供の頃、四葉を探して遊んだ記憶は誰にもあると思います。
暖かく平和な記憶。大人になっては二度と感じることのできない純粋な感性でした。

日本で目にすることの多いのは、ホワイトクローバーです。
牧草としても使われ、牧場の爽やかな風景によく似合います。
マメ科植物なので窒素固定をしてくれるため栄養価が高く、土壌を栄養豊富にもしてくれます。
ただし、マメ科植物にはイソフラボン類が多く含まれていて植物エストロゲンが多いので、牧草にクローバーが多いと、牛や羊の不妊など繁殖性に悪い影響を及ぼすという話は昔からありました。
過ぎたるは猶及ばざるが如しなんですね。

さて、メディカルハーブで使われ、流通しているのはレッドクローバー(Trifolium pratense)です。
欧米では古くから使われていました。
レッドクローバーにもエストラジオールに類似した分子構造のイソフラボン類が多く含まれていて、そのエストロゲン作用を期待して、海外ではホットフラッシュ等の更年期障害の症状緩和に応用されます。
歴史的には、乳ガンや卵巣ガン、前立腺ガンなどに効果があるとされ、治療薬として使われていた時期もありました。

 

 

 

 

 

 

 

現代の薬学的知見に照らし合わせると、(?)と思うことがたびたびあります。
ホルモン依存性の婦人科系のガンの場合はどうだったんでしょう。
植物エストロゲンは分子構造上、作用が弱く受容体に対してアゴニスト(作動薬)としても、反対にアンタゴニスト(阻害薬)としても働くとされているので、適度なホルモン調整をしているのでしょうか。
あるいは、未知の成分や、未確認の作用があったりするんでしょうか。

臨床試験はいろいろ行われているようですが、まだ、はっきりした結論は出ていないようです。
ただ、経験的に使われ、歴史に淘汰されずに残ってきたことを考えれば、何らかのエストロゲン様作用があり、更年期障害などのホルモンバランスの乱れや、性ホルモンの影響をうけるタイプの癌に、もしかしたら効果がある可能性も否定できません。

 

 

 

 

 

 

 

メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版では、安全性クラス : 1、相互作用クラス: Aなので、使いやすいハーブではあります。
しかし、相互作用については、肝臓の解毒酵素であるチトクロームP450のCYP3A4など、いくつかの代謝酵素を阻害することが示唆されているので、医薬品やサプリメントの作用を強める可能性はあります。
医薬品やサプリメントとの併用にあたっては、注意しておいた方がいいかもしれません。

これから、信頼性の高い大規模臨床試験が行われることを切に望みます。

 

そういえば、ジェイソン・ウィンターズ・ティーにもレッドクローバーが入っていました。
ティーの作者、ジェイソン・ウィンターズ卿は、著書「奇跡のハーブティー キリング・キャンサー」で、氏の首にできた腫瘍がティーの摂取で消失した経緯を、物語形式で書いてます。
腫瘍の発生から、世界中を回るハーブを探す旅、効果を感じた時の描写、そして生還。なかなか読み応えのある本でしたが、現在、販売されていないようです。
持っていたんですが、ガンになった知り合いにあげてしまって、手元にありません。でも、中を暗記するぐらい読んだので大丈夫です。

ジェイソン・ウィンターズ・ティーについては、また、詳しくお話しますね。

 

もうすぐ、梅雨の季節に入ります。体調を崩さぬようお過ごしください。

敬具